助け舟

昨日、仕事を終え、祖母宅に帰ると僕宛に手紙が届いていた。

先週受けた会社からだった。

中身を見るまでもなく、不採用な事はわかっていたが、一応、確認してみた。

中には履歴書と職務経歴書の2枚だけ、採用の合否に関する通知は入ってなかった。


頭に血が上った


「あんたには採用に関する合否を伝える必要すらない」

そんなふうに思えた。

滅多にキレる事のない僕だが、あまりにも酷いと思い、

夜8時を過ぎていたが、先方に電話して、文句の一つでも言ってやろうと思った。

携帯を手にし、電話を掛けようとしたところ、不在着信に気づく。

おじからだった。

電話してみると「一緒にご飯でも食べようかと思ったけど、どう?」と言ってくれた。

何かホッとした。

キレていた気持ちが消えていった。


きっと「近くにいた」祖母が、キレていた僕に助け舟を与えてくれたのだろう。

そんな気がした。