居場所

3日間、休みだったので実家へ帰っていた。

といっても僅か1年半で、僕の部屋は物置となり、

地元に何も用はなく、外にもうちにも、

僕の居場所はなかった…


土曜日、地元に住む友人と会った。

彼は真正無職で、地元に帰るとよく会う間柄だ。

といって、今の僕の部屋には人を招く事もできないので、

近くのデパートなどに行ったが、家族連ればかりで

寂しい思いをしただけだった。

仕方ないので、街の中心にある寂れた公園に行く事にした。

僕らが小学生の頃、冬のマラソン大会で、

何週も走らされた、ろくな思い出のない公園だ。


夕暮れに沈む、人影まばらなその公園で、

その当時のことを話した。

そんなろくでもない思い出でも、

話していくうちに、何だかとても懐かしい気がしてきた。

陽が落ちて、僕らは別れたが、

まだこの街にも僕らの居場所はあったんだなと思ったりした…