僕はサウナが嫌いである。
常時高温の室内に座ってすぐ、もう「無理だ」と出てしまう。
この前、新潟の健康ランドへ行った時もそうであった。
入った瞬間、すぐ出ようとおもった。
でも何の気なしに目に入った時計の針が3回まわるまで、
とりあえず居てみようと、座ることにした。
目を閉じてじっと耐える…
そっと目を開けるとまだ針は時計の15をさしているだけだ。
絶望的な気持ちでまた眼をとじ、しばらくして目を開ける。
その繰り返しの中で、ふと思う、
自分の中にある「限界」の本当はもう少し先なんじゃないか、と。
僕は本当の限界のその前の前くらいで、いつも「仮限界」を設定して、
ラクしてるんじゃないのか。
もっともっと頑張れる、まだまだ耐えられる、
その力をいつも温存しているのではないか。
そんな事を暑さにのぼせながら考え、時計の針が3周した。