堪らん!

昨日は、例の女の子と会ってきた。

適当に買い物なんかをしながら、

街を歩きつつも、

このまま友達で、っていうガードは切り崩せず、

夜の街になった。

古い居酒屋に入り込んで、

僕は日本酒を飲みつつ、

深く深く飲むことで、

破れかぶれ状態に変化するよう、自分を仕向けることにした。


「人を好きになるってことはとても尊いことだから、大切にした方がいいよ」

別に好きな人がいるその娘に対し、

できれば、この蛇の生殺し状態を解除してほしい、

と間接的に伝えたつもりだった。


でも伝わらなかった。

女の子は、「忘れるようにします」と言った。

その対象は好きな別の男性の気持ちだった。

そんな答えが返ってくると思いもせず、

破れかぶれ状態突入していた僕は、

手のひら返しで、愛の告白を繰り返していた。


たぶん、その娘は寂しいのだろう。

それは僕も同じだから、

しばらく僕は生殺しのまま、

悶々と過ごすのだろう。

それで充分です。