山手線にて

昼間、大崎から渋谷まで山手線に乗った。

2時過ぎの車内は、ロングシートのはじに一人座っているだけ、

とても空いていた。

僕もはじに座って音楽でも聴こうと、鞄を開けようとした所、

ふと、はじに座っている男と目があった。

目があっても誰だか分らなかったが、

しばらくして原宿の現場で働く清掃のおっさんだと気づく。

「すごい偶然ですね〜」と僕が話しかけると、

「むにうにrt70qfなんだよ、これから。今何時?」と訳のわからぬことを言い出した。

聞くところによると、11時に原宿での仕事を終え、

電車で家に帰る途中、車内でビールを飲んだらウトウトしてしまい、

山手線を何周かまわり、気づけば僕がいたらしい。

偶然に会えて一瞬嬉しく感じたりしたが、

よくよく考えると、あんま嬉しくもないなと、

毎週会っているおっさんとの偶然の出会いも

醒めたものに感じてしまった…