慰留

夕方、会議室にて面談があった。

部長と二人きり。

話のほとんどが慰留にかかるものだった。


僕は部長が嫌いではない。

穏やかで周り全体を見回すことができ、

いざという時は、刀を振りかざす如く、

スパッと決断を下す。


でも組織してのうち会社は最低だ。

ありがたい慰留で無下に断ることはできなかったけど、

ただ目をあわせずに下を向くしかなかった。