会社に泊まる

今日は緊急工事の一環で水が出なくなった現場があった。

よりによってビルのテナントには昼時の蕎麦屋が入っていて

混み合った客の中、周りからの冷たい目線に、

自らが消えてなくなってしまいそうな思いがした。

そんな時思うのは、あと1時間後にはきっとこの状況は終わっていて、

どこかでたばこで吸いつつ、落ち着いていられるのだろうと、

そんな事を思うようにした。

確かに今はつらいが、やがて、割と確実に、

それは終わる…そう思う事で耐えられる気がした。


夜になり、同僚と忘年会であった。

辛い一日の終わりが楽しい暖かい夜で

終電近くになった。

何とか終電に乗ったのだが案の定乗り過ごし…

タクシーで家へ帰ったら、ドアのチェーンが掛っていて、

(前の彼女が防犯のために閉めたようだが、起こす事は出来ない)
家に入れず…

楽しい時間の後には辛い事があるんだなと思った。

仕方なく会社の冷たい倉庫で、身を包んで寝たが

寂しい年の瀬となった。