雪降る夜に

こんな大雪の日に限って夜勤とはやりきれぬ思いと

言いようのない不安を感じた。

家路を急ぐ通勤者たちを背にとある駅を降りると、

ロータリーに人影はなく、深い雪に覆われていた。

とりあえず、富士そばで温かいお蕎麦をすすり、

少しだけ身を温めてから現場へ向かった。

しかし夜勤作業の予定であったのが、作業が1時半頃と

中途半端な時間に終わってしまい、行き場を失ってしまった。

極寒の中、辿りついたのはカラオケ店で

始発を待つ事にした。

一人、ビール飲みながら、歌は悲しい曲ばかりを選んだけど、

なぜか楽しい夜あけでもあった。

そんな雪の夜。