十字架

4月、年度初めだ。

とりわけて僕の生活に変化はなく、

コインの裏表を成すように、

不安と安心が重なっている。


またひとり、同じ部の人間が会社を辞める事となった。

この前、メールの件で一悶着あった同僚だ。

あの事件があろうが無かろうが、

辞めることは決まっていたようだが、

それでも自分が放った打球が、

決定打だったのではないかと、思う度

胃がキリキリと痛む。

それは僕が背負うべき十字架だ、きっと。