思い出淀む街

例の漏水事故のため、しばらく実家へと避難していた。

といって実家に居てもすることはなく…

地元に住む幼なじみとサイクリングをした。


ぼくがかつて住んでいた街は、都内から電車で1時間ほどの、

いわゆる「郊外」の街で、子供の頃は活気に溢れていた。

でも僕らの親の世代が定年を迎えた今では、人影もまばらに

とても静かな街になっている。


サイクリングで、街中をまわってみたが、

建物や路地、その一つひとつに思い出が潜んでいて、

何とも感傷的になってしまった。

もう20年も前、過去になったもの、

なぜに心揺さぶるのだろうか。


20年前ぼくは小学6年生のこども、

20年後私は多分50過ぎのおじさんになっている。

ゆらゆら思い出揺れる今の僕は、その狭間で彷徨っているのだろう…