引き抜きにあう

3月の終わり、期の終わり。

春の訪れと共に、今年も身近な人々が

異動になったり退職されたりしている。

僕は手をふるだけの存在で、今年も過ごすつもりだった、

いやまだ、そのつもりでいる。


ところがとあるお客さんから、うちに来ないかとの誘いを受ける。

冗談だと思っていたら、入社案内の書類が届いてきた。

確かにそのお客の僕に対する評価は誤解に近い形で、とてもよい。

給料も変わらないが、気乗りはしていない。

ただ断るにしてもそれはとても労力のいる事である。

引き続き担当しないといけないのだから。

今日外は強い春風だ、

木のフリをして揺れてみるかな。