乾いたやさしさ

若手の流失が止まらない。

20代中盤から後半にかけての社員が次々に退社している。

僕は何気にもう10年もこの会社にいるけど、

高卒で18から入った人間と同じ10年だとしても

まだやり直しがきく年だ。

退職の相談を受けるたび、「やめた方がいいよ」と軽く言ってきたけど

最近はそう思えなくなって来た。

我が社で何が得られたというのだろう。

とても他社で通用するようなスキルはないはずだ。

イヤだから辞めるのは別に構わないけど、

その先に何かがなければ、今よりも酷い状況になるのではないか。

その一方で仲良くしてきた人間が去っていくのはとても辛いことだ。

もっと自分に何かできなかったのだろうと思ったりもする。

でも結局としてできる事なんて限られている。

相手に注ぎ込んだ優しさや気づかいも、すぐに乾いてしまうものだ。

そういうことに労力を使うのも、僕は十分に疲れてしまったのだ。

それも良くなかったな…