今日の僕は財布がなかった。
朝、会社へ行く途中でタバコを買ったので、家に置いてきた訳ではなかった。
財布がないことに気づいたのは、外回りしていた途中の電車内だった。
多分、ロッカーだろうと思いつつも、
タバコを買った自販機から会社までの間で落としたのかもしれない、
そんな不安があった。
何も買えなかったが、事なきを得た。
仕事を終え、会社に戻り、ロッカーを探すことにした。
僕はうっかりとロッカー上のスペースに物を置く癖があるので、
多分そこだろうという推測があった。
案の定、財布はあった…
…カード以外の金が抜き取られた状態で。
そのロッカー室には社内の人間しか入る事ができない。
こんなこと書きたくもないが、財布の中身を盗んだ人間がいる、社の人間で。
中身は1万少ししか入ったなかったのだが、
それ以上に、何かを抜き取られたような、そんな気がしている。
一応、部の職制にその一件は話しておいた。
財布を置き去りにした僕が9割方、悪い。
たいした額でもない。
だけど、その人間は財布内にあった免許で僕の名前を確認したはずだ。
そこに物凄い悪意を感じずにはいられない。
大人の振りして、いい社会勉強になった、そう思おう。
そんな風に思う僕の心はバラバラになって、
今これを書いた。