悴んだ心

久々の連休、土曜の朝、いつもの習慣で目が覚めてしまい、

とても惜しい気持ちでいたところ、一本の電話がかかる。

悪魔の電話だった…

「現場の作業員が救急車で運ばれた、すぐむかってくれ!」

興奮気味の部長からの電話で、今日一日が変わってしまった。


確かに、年老いたその作業員は、前から心配ではあった。

寒い朝、一緒に腰をかがめて飲んだコーヒー、

あれは確か、木曜日の出来事で、

電車で向かいつつも、何とも言えず不安になった。


オーナーに事情説明の為、ビルに着くと

その作業員がいるではないか!

「確かに救急車で運ばれましたが、もう大丈夫です」

そんなこと言われても、何が大丈夫なのか。

とりあえずそのおっさんには帰ってもらい、

残りの作業をやるはめに。

最初は苦笑いもできたけど、

そのうち、無理にも笑顔が作れなくなり、

つめたい風に手が悴んだ‥