抜けない

とある夜現場で、台所の排水が詰まったままになっている。

夜な夜な、工事をしているのだが、

根本的な解消につながらないのだ。

メゾンドヒミコのような古い建物は、

増築に増築を重ね、原形をとどめておらず、

古い図面は何の役にも立たない。

不動産会社の担当者と私、二人して頭を抱えてたままだ。


その不動産会社の人は、地場の物件を一人で抱えている、

とても貫禄のある人だ。

厄介な客先との折衝などは、その人に任せているのだが、

話をしてみると、僕より3歳も年下であった。

何となく恥ずかしくなり、僕は年を2歳さば読んで、

接しているのだ。

それでも彼より年上設定の僕は頼りなく映るのだろう。

今度、一緒に風俗へ行く約束はしたのだが…

長い夜、続きそうだ。